新しく家族が増えたため、朝のトイレはまるで戦場!足腰が痛いので、トイレの度に階段を昇り降りするのはもうしんどい!介護に便利なバリアフリーのトイレが欲しい!
家族構成や昨今のライフスタイルの変化によって、トイレが一つだと不便なこともありますよね。そんな時におすすめなのがトイレの増設です。
そこで今回は、トイレリフォームによってトイレを増設する際の費用や注意点をご紹介したいと思います。
トイレを増設できる場所ってどこ?
一般的に、洋式トイレに必要な最小スペースは「幅80cm×奥行120cm」程度と言われています。これは、おおよそ0.4坪で、戸建ての2階にあるサブトイレや階段下のトイレなどに多い広さです。基本的には、この広さが確保できれば、トイレの増設は可能であるということになります。
トイレを増設できるスペースは主に3つ
それでは実際に、どのようなスペースにトイレを増設することが多いのでしょうか。増設ができる場所は主に3つありますので、1つずつ紹介します。
[既存のスペースに増設]
人が増えてトイレが足りなくなったという場合には、階段下や廊下にあった物置スペースなどを利用してトイレを増設することが一般的です。もともとあるスペースへの増設が難しい場合は、階段の踊り場や勝手口などの空間を仕切って増設場所を確保する方法も検討してみてはいかがでしょうか。
また、ベランダなどの空間を利用してトイレを増設することも可能ですよ。
[部屋の中のスペースを利用して増設]
一方、介護目的や足腰の悪い高齢者の方が利用する場合には、床の間や押し入れ、クローゼットなど、部屋の中にトイレを増設するケースもあります。
広い部屋と隣接しているので狭い印象がありますが、十分にトイレの設置が可能です。
[増築したスペースに増設]
上記のような活用できる場所がない場合には、新しくスペースを増築してトイレを設置することも可能です。1階の場合はそれほど気になりませんが、2階部分を増築する場合には、場所によっては外から見ると増築した部分だけがせり出した格好になってしまうケースもあります。
また、2階以上に増築する場合は配管工事に手間がかかることがあり、その分工期が長くなったり費用も高額になってしまうことがあります。
トイレは狭いスペースで増設できますが、普段の人の動きを邪魔しないように生活動線を考慮に入れて、場所選びを行うことが重要です。
トイレを増設するときの相場はどれくらい?
一般的に、トイレを増設した場合に必要な費用は50万円から100万円と言われています。内訳は、トイレ設備の費用が20万円から50万円、工事に関する費用が30万円から50万円です。この大きな差は、どこからくるのでしょうか?
増設するトイレのグレードによって差が出る!
先ほども少し触れましたが、新たにトイレを設置する場合、今ある場所を活用して増設することがほとんどですので、スペースとしてはとても限られた広さになります。当然、タンク式トイレの中でもコンパクトサイズのものや、タンクレストイレが人気となります。
タンク式トイレの場合、機能にもよりますが10万円前後の商品も多くあります。しかし、タンクレストイレの価格は20万円台から50万円台。まだまだ決して安いとは言えません。このように、選ぶトイレの種類によって増設費用が大きく変わることとなるのです。
給排水管を設置する場所や長さによって差が出る!
トイレの増設費用に大きな影響を及ぼすもう一つのポイントとなるのが、設置場所です。新たにトイレを増設する場合には、水洗トイレの水の給水管と、汚物を流す排水管を設置する水回りの配管工事が発生します。
給水管、排水管はすでにあるものを使用しますが、そこにつなぎやすいかどうかで、工事費用は変わってくるのです。当然、既存の給排水管に近い場所であれば費用は安くなりますし、遠ければ高くなります。距離が長くなり、配管を曲げる回数が多くなればなるほど、工事費用がかさんでしまうのです。
また、増設する場所によっては、給排水管そのものを新しく設置しなければならないケースもありますので、事前にトイレリフォーム業者と相談してみてくださいね。
1階と2階で増設費用に差が出る場合も?
新たにトイレを設置する場所によって増設費用は変わってきます。高齢者の方の利用を目的としたトイレの増設の場合、トイレのないフロア(階)に新しく設置することが多いですが、設置するフロアによっても費用には大きな差が生じます。
1階にトイレを増築する場合
通常、どのようなご家庭でも水回りは1階にあることが多いので、新たに1階にトイレを設置する場合には工事費用がかさむということはほとんどありませんので、70万円から80万円くらいが相場であると言えます。
例えば、ご高齢の方が手間をかけずにトイレに行けるようにと部屋の一角を利用してトイレを増設する場合などは、新たに壁や照明器具を設置する必要がないので、50万円以下で可能なケースもあるようです。
2階、3階にトイレを増設する場合
2階にトイレを増設する場合には、給排水管までの距離が長くなりますので、やはり1階に増設する場合と比較して割高となります。その中でも、1階のトイレの真上に増設すれば給排水管への距離は最も短くて済むので、費用の上乗せも最小限に抑えることができます。ぜひ、トイレリフォーム業者に相談してみてください。
また、後ほど詳しくご紹介しますが、排水管への防音対策も必要となりますので、その分の費用も見ておくことが必要でしょう。
3階にトイレを増設する費用はもっと高く、100万円を超えてしまうケースも少なくありません。一般的な戸建て住宅の場合、階数が上がればその分、スペースの余裕もありませんので、配管の距離が長くなるのはもちろん、工事そのものの手間も増えてしまうからです。
バリアフリー対策を施した場合
新たにトイレの増設を検討している方の中には、介護を目的としたリフォームであることも多いと思います。手すりを設置したり、段差をなくすため床材を変えたり、ドアを引き戸にしたり、というバリアフリー対策が必要となりますが、これらの工事にはおおよそ10万円から25万円ほどかかるのが一般的です。
このバリアフリーを目的とした住宅改修工事部分には、介護保険を活用できる場合があります。トイレリフォームにも、和式から洋式への変更など介護保険の対象となるものもありますので、ぜひ、地域のケアマネジャーの方に相談してみてください。支給額の上限(18万円まで)はありますが、リフォーム費用の9割が支給されますので、活用しない手はありません。
※支給額はお住まいの地域によって異なります
トイレを増設する時の注意点!設置場所や防音対策に要注意!
その他にも、トイレを増設する場合にはいくつか注意しておかなければならいポイントがありますので、ご紹介しましょう。
専門の業者に頼もう!
トイレの増設には大工工事や建具工事、電気工事などが必要となりますので、やはり、リフォーム会社や工務店といった専門の業者に依頼することをおすすめします。
水道工事店や量販店、ホームセンターでも請け負っていると思いますが、自分たちでできない範囲の工事はすべて外注となりますので、工事費用が上がってしまう可能性があります。また、外注先に細かい要望が行き届かずにトラブルとなるケースも多く目にしますので、くれぐれもご注意ください。
工事は1週間程度かかる!
トイレを増設する場合の工事期間は、給排水管を延長する距離や工事のしやすさなどの条件で若干の前後はありますが、おおむね5日から7日ほどです。
ただし、スペースを増築してトイレを増設する場合には、1週間以上かかってしまうことも。増築工事にどのくらいの工期が必要かはその場所や規模によって大きく変わりますので、事前にトイレリフォーム業者に相談してみてください。
音に注意!
2階や3階にトイレを増設する場合、排水の音には十分な配慮が必要となります。1階のトイレの真上に増設できれば理想的ですが、そうでない場合、例えば寝室といった居住スペースの近くには排水管を通さないなど、配管の工夫が必要です。また、配管を吸音材で巻いて音を吸収するというような防音対策もあります。
トイレを増設する場所が寝室に近い場合には、ドアの音への配慮も必要となります。防音性・遮音性の高いドアを選ぶようにしましょう。バリアフリー対策として引き戸にする方は、通常のドアと比較すると開閉時の音が大きいですので、特に、注意が必要です。
階段の近くには増設しない!
2階や3階にトイレを増設する場合、階段の近くには設置しないように注意しましょう。階段の近くにトイレの出入口があると、例えば夜中など薄暗い中でトイレに立った場合、誤って踏み外してしまう危険があります。特に、視力の衰えている高齢者の方や小さなお子さまがいらっしゃるご家庭では、配慮が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。トイレの増設には、場所選びが最大のポイントとなります。新たに設置する場所によって、費用面や配慮すべき注意点が大きく変わってくるのが、トイレの増設の最大の特徴と言えるでしょう。
快適な暮らしを守るためにも、人の動きや生活スタイルをしっかりシミュレーションする。これこそが、トイレ増設を成功させる秘訣です!