当たり前の話ですが、トイレは家族みんなが毎日利用するもの。なので、実はとても多くの水を使っているのです。巷ではよく、トイレをリフォームすると節水効果があるらしい、水道の使用料金が安くなるらしい、などというまことしやかな噂を耳にしますが、果たしてそれは本当なのか・・・
今回は、トイレリフォームと水道代の秘密に迫りたいと思います!
水道水の中で、トイレで使う水の割合はどれくらい?
トイレはもちろん、炊事洗濯にお風呂に歯磨き、洗顔、洗車、草木の水やり・・・ご家庭で水道の水を使う機会を挙げていったらキリがありません。そもそも、水道の使用量の中で、トイレで使う水の量がどのくらいの割合を占めているのか、ご存じですか?
東京都水道局の「一般家庭水使用目的別実態調査」2012年度版によると、一般家庭における水道使用量の内訳は以下の通りです。
- 風呂・・・40%
- トイレ・・22%
- 炊事・・・17%
- 洗濯・・・15%
- その他・・6%
家族構成や使用頻度など、ご家庭によって水道の使用料金そのものはバラバラだと思いますが、水道使用量のおおよそ全体の4分の1がトイレで使用するものだということが分かります。
お風呂に次いで2番目ですから、やはり、非常に多いですよね。これだけの割合を占めているのであれば、リフォームで節水できれば水道代にも大きな影響が出てくることが考えられます。
ここで、ちょっと面白いデータをご覧いただきましょう。同じ東京都水道局の「一般家庭水使用目的別実態調査」でも、2006年度版の調査では、このような結果でした。
- トイレ・・28%
- 風呂・・・24%
- 炊事・・・23%
- 洗濯・・・16%
- その他・・9%
風呂とトイレの順位が入れ替わりっていることにお気付きでしょうか。さらに、トイレの使用量が占める割合そのものも、2006年より2012年の調査の方が減っています。かつては、水道使用量の中でトイレが最も大きい割合を占めていたのです。
これは、どういうことかといいますと・・・実はここ最近で、トイレの節水面での性能が大幅にレベルアップしているからなのです。6年前に比較して節水効果の高い新しいトイレが増えたことで、実際にトイレで使われる水の使用量が削減され、順位、パーセンテージともに数値が下がったとのではないかと、考察することができます。
昔のトイレと今のトイレ、節水効果はどれくらい違う?
それでは、実際にどの程度、水の使用量に違いがあるのでしょう。日本最大手のトイレ便器メーカーであるTOTOによると、現在のトイレの洗浄水量は、40年前に比べておおよそ5分の1にまで削減されているそうです。
先ほどの水使用目的別実態調査に合わせてみると、最近のトイレでは、1回の大洗浄水量がおおよそ3.8L程度で済むのに対し、2006年頃のトイレではほぼ倍の6Lの水が必要でした。さらにその前、1990年代以前のトイレでは、10~13Lもの水を、1回の大洗浄の際に使用していたのです。
[1回の大洗浄水量(2012年TOTO調べ)]
年 | 1975年以前 | 1994年 | 1999年 | 2006年 | 2009年 | 2012年 |
水量 | 13~20L | 10L | 8L | 6L | 4.8L | 3.8L |
10年前のトイレから最新のトイレにリフォームしたとしても、水道の使用量で約40%の節水効果が期待できるということになります。現在、ご自宅で使用しているトイレがさらに前、20年くらい前の商品だとしたら、70%もの節水効果がトイレリフォームによって得られることになるのです。
参考URL:https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/kurashi/shiyou/jouzu.html
参考URL:https://jp.toto.com/company/csr/csractivity/value/q03/
トイレ交換のメリットについてくわしくはコチラ>> |
水道料金はどれくらい変わるの?
このような節水効果の数字は、実際の水道の使用料金にはどう反映されてくるのか、4人家族のご家庭の場合で試算してみましょう。
水道代は地方自治体によって様々で、おおよそ1L=0.1~0.4円の範囲ですが、今回は東京都の水道代を計算する際に目安とされる「1L=0.24円」で換算してみたいと思います。
現在のトイレは1回の大洗浄で約4L、小洗浄で約3.5Lという使用水量の設計がされています。一方、1990年代以前のトイレでは、同じく1回の大洗浄で約13L、小洗浄で約8Lの水が使用されていました。
一般的なトイレの使用頻度は、1日に大1回、小3回と言われていますので、この使用回数に当てはめてみると・・・
[新しいトイレの場合]
大4L×1回=4L/小3.5L×3回=10.5L・・・1日に一人がトイレで使用する水の量は「14.5L」となります。
14.5L×4人=58L/58L×365日=21,170L・・・1年間で4人家族がトイレで使用する水の量は「21,170L」となります。
水道料金を1L=0.24円として、トイレで使用する1年間の水道の使用料金は21,170L×0.24円=「5,081円」ということになります。
[古いトイレの場合]
大13L×1回=13L/小8L×3回=24L・・・1日に一人がトイレで使用する水の量は「37L」となります。
37L×4人=148L/148L×365日=54,020L・・・1年間で4人家族がトイレで使用する水の量は「54,020L」となります。
水道料金を1L=0.24円として、トイレで使用する1年間の水道の使用料金は54,020L×0.24円=「12,965円」ということになります。
新しいトイレと古いトイレとでは、単純計算でも水道の使用料金に8,000円程度の差が出てくるのです。さらに、水道代は水の使用量が多くなればなるほど単価が上がりますので、この差はより広がると考えていいでしょう。
実際には、4人家族のご家庭でおおよそ12,000円から15,000円の水道代の節約になるケースもあるようです!
まとめ
いかがでしたでしょうか。長い目で見れば、トイレのリフォームはかなりお得な選択肢であるということが、お分かりいただけたのではないでしょうか。
旧型のトイレと最近のトイレでは、何となく節水効果が違うだろう、ということは皆さまご存じだったと思います。しかし、実際に水の使用量、そして水道代として数字化して見てみると、ここまでの差があるのです。
トイレのリフォームをお考えの方、ぜひ参考にしてみてください!